御坊組 寺院紹介 vol.13


光専寺

光専寺の歴史〜大イブキと風蘭の薫りにつつまれて

 光専寺は、寺伝によれば、前身はもともと鷲峰山山麓にあった真言宗の草庵で、文明年間、本願寺第八世蓮如上人の御教化を受けた庵主、安悟尼僧がいたく感激し、浄土真宗に帰依し、本願寺から御染筆の六字名号を授かり、草庵を本願寺道場としたと云われます。
 また、光専寺の寺号の由来は当時、道場の門徒、柏木彦右衛門が村人の希望により剃髪して得度名を正西と命名され、光専寺の初代住職となったのであります。
 この事を裏付けるものとして、鷺森記録に、一、木仏寺号元禄十六年二月御免、願主正西とあり、木仏安置寺号公様によって得られた事が明らかであります。
 そして寛政元年、本願寺第十七世法如上人が御遷化されて法名を光闡とおくり名された為、これをあやかって光専寺とされたそうです。

 元文二年(一七三七年)十二月本堂焼失、安永七年(一七七八年)第四世住職正全の時に、現在の位置へ移転再建しましたが、その間約四十年を要しています。
 また過去にもいろいろと災害に遭ったそうですが、今の本堂は昭和三十二年に改築されて現在に至っています。
 しかしながら、境内地の建築物も次第に老朽化し、中でも土塀の損傷が殊に甚だしく、倒壊の危険さえ案ぜられてまいりましたので、平成十七年四月の役員会に於いて修復計画が策定されまして、早速その修復工事が秋の十月十二日より始まり、十二月二十日に完成致しました。
 お陰様で住職並びに御門徒の喜びは計り知れないものでした。


 そしてその修復記念として、十二月二十五日にささやかながら修復落成慶讃法要をお勤めさせていただきました。
 この喜びの声は本堂内にあふれ、お念仏の声が高らかに響きわたりました。







 また、境内には県指定の天然記念物の文化財柏槙(びゃくしん)(イブキ科)がそびえており、これは樹齢約六百五十年以上の歴史を誇り、高さ十八米、幹回り六米があり、県下屈指の風格を天を仰ぎ、地には壮大な樹影を投げかけています。

 この大樹の樹間に風蘭の自主で夏七月頃には極楽浄土の薫りと浄い白い花弁を宿しています。


 近くへお越しの節は是非共一度お立寄り下さいませ。



光専寺住職  柏木秀憲    





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