今年の御坊組キッズサンガを振り返って

 今年は、天候が不順な日が多く、心配していましたが、開催の当日だけ不思議と快晴になり、昨年を上回る数の子どもたちが日高別院の本堂や境内を力いっぱい駆け回りました。

■パネルシアターの上演や昔遊び
 今回あらたな試みとしてパネルシアターの上演を行いました。
 パネルシアターは、パネル布を貼った舞台に絵や文字を貼ったり外したりして展開する、おはなし、歌あそび、ゲームをはじめとする表現法であります。
 数年前から教区主催の「子ども報恩講」ではそのパネルシアターの上演が行われておりましたが、御坊組では上演したことがありませんでした。パネルシアターは、ベテランの方なら一人で上演できますが、そうでない場合は、物語を語る役、パネル布に絵や文字を貼る役、またその貼る人に絵や文字を送り出す役が必要になり、子どもたちに観てもらうにはかなりの練習期間が必要となります。今回、坊守さんの中で、パネルシアターの知識があり、普段から子どもたちに読み聞かせを行っている方がおられ、その方が中心となり坊守さん達だけで上演できることができました。
 最近の子どもの遊びと言えば、テレビゲームを代表としたデジタル系が主流の時代でありますが、そんな時代にパネルシアターのようなアナログ的なものが子どもにうけるのか非常に不安でしたが、意外にも子どもたちは上演にくぎ付けとなり、終了時には拍手喝采でした。実はパネルシアター意外にも竹馬や新聞紙で作る紙てっぽうなど、昔遊びのコーナーも作っており、興味のある子どもだけでも楽しんでくれればいいかなあという思いでしたが、これまたその昔遊びが子どもたちに大好評でした。恐らくはもの珍しさに興味を持ったものと思いますが、ひょっとしたら、子どもたちは、どこかで人と人との触れ合い、温かみを求めているのではないでしょうか。

■3つのご縁づくり
 キッズサンガは、「ご縁ある大人たちが、すべての子どもと接点を持ち、子どもとともに阿弥陀さまのご縁に遇っていこうとする運動」でございますが、その運動には「日常生活でのご縁づくり」「法務・法要などでのご縁づくり」「子どもに特化した催しなどでのご縁づくり」の3つのご縁づくりがあります。御坊組キッズサンガは、その「子どもに特化した催しなどでのご縁づくり」にあたります。今までご縁の薄かった子どもたちにもご縁にあってもらおうという思いから、ポスターを作成して町中に貼り出したり、HPやFacebookなどで案内を行ったりしてきました。また、今までの開催内容などをHPで動画や写真で紹介するなどの運動を続けてきております。
 その甲斐があってか、毎年参加者が増えるだけではなく、法事や法要などで子どもたちのお参りが少しずつではありますが増えてきています。現に、それまでは法事であまり見かけなかった子どもがひとりふたりと増えてきて、一緒にお勤めをするまでになってきております。
 今回の御坊組キッズサンガでは、住職や坊守さんに加え、総代会の皆さん、婦人会の皆さん、壮年会の皆さん、門徒推進員の皆さんが中心となり開催に積極的にかかわっていただきました。また、HPを見て協力させてくださいと申し出られた方、高校生や中学生の方にもスタッフとしてご協力いただきました。
 まさに、子どもを中心として、おじいさん、おばあさん、お父さん、お母さん、お兄さん、お姉さん、たくさんの世代の方々がご縁に遇うことができました。

■子ども・若者ご縁づくり
 本山ではこの度「子ども・若者ご縁づくり推進室」が新設されました。法統を継承されたご門主様から子どもだけではなく、若者に関してもご縁づくりの機会を増やしてもらいたいとのご要望がもとになったと聞いております。ご縁が少しでもある若者から、まったくご縁のなかった若者に関してまでもご縁づくりを行い、阿弥陀さまのお心に触れてもらえる機会を作ろうというものであります。
 今年の御坊組のキッズサンガは、偶然にも、高校生や中学生のお兄さん、お姉さんもスタッフとして活躍していただきました。右下の写真は子どもたちが、お兄さん、お姉さんに教わりながらワイワイ言いながら工作を作っているところです。 短い時間ではありましたが、ご門主さまの望まれている世界が少し実現化されたのではないかと感じております。 法統継承に際してのご消息の中に、「ご法義の伝え方は、その変化につれて変わっていかなければならない」と述べられております。
 今後も、様々な世代の方、ご縁に遇っている方、まだご縁に遇っていない方と一緒になって色んなご縁づくりの運動を模索していきたいと思っています。

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御坊組キッズサンガ担当
 木下眞人(善妙寺住職)

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