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「ええーまたあ 組長に”留年宣告”」


■平成28年度に向けての組会開催
 3月27日、平成28年度の組会が開かれた。今年度の組会の最も大切なはかりごとは組長と教区会議員の選挙でした。私にとっては、前任者残りの1年+1期4年を全うしましたので、もう代わっていただきたいと切に願っておりました。選考委員会の発表は「組長はじめ役員全員留任」。「ええーまたあ」と思わず、私の口からこぼれました。これは私だけではなく、当日参加の組会議員全員の思いであったと思います。
 学生時代、勉強が苦手で低空飛行を続けていた私の年度末はいつも「留年」の危機にありました。今回の組長「留任」は大学の教務係から取得単位不足で「留年」と宣告されたようなものです。ちゃんと再履修して単位を揃えないと「進級・卒業」はままならぬということでしょうか。
 さる1月29日、今年度最後の組長会が鷺森別院であった時、14人の組長さんのうち明るいお顔が半数、暗いお顔が半数。明るいお顔は、3月の組長選挙でどなたかに代わっていただく見通しが立っている方々、暗いお顔は、その見通しが立っていない方々、紀南組の北條先生(妙道寺住職)や日高組の片桐先生(円行寺住職)はいつも以上に明るいお顔、その時、教務所から配布されたたくさんの書類でパンパンになった大封筒も「私らこの封筒をこのまま新組長にお渡しするだけ」とまことに涼しいお顔、羨ましい限り。 私もその日から何とか後継をと探してまいりましたが、やりちらかしたままの組の仕事をお引き受けいただく方は見つけられませんでした。仕方なく、組会での立候補もしくは選考委員会の慈悲深い人選に期待しておりましたが叶いませんでした。


■「伝灯奉告法要団体参拝」をスムーズに!
こうなったからには私も覚悟しました。ちゃんと組長任務を果たさないと後継してくださる方も出てこないでしょう。幸い、今まで通り組執行部には気心のしれた面々が就いてくださっています。私自身、現在65歳、正真正銘の「高齢者、年金満額受給者」となっております。さらに4年の任期を全うする自信はありませんが、みなさんのサポートを請いながら与えられた任務を果たしてゆきたいと思います。
 組会では、2016(平成28)年度の活動予定と予算が承認されました。その中で、もっとも大きな取り組みは「伝灯奉告法要団体参拝」です。御坊組からは6班590名の大参拝となります。第一陣は今年度末3月12日、その報告書は半年前までに本山に提出する義務があります。どうか、各寺院住職方には議案書に示した手順で準備を怠りなく進めてくださいますようお願いいたします。「団体参拝」でありますので、1ケ寺の遅滞がその影響はみなに及ぶこととなりますのでどうかよろしくお願いいたします。

■「専如ご門主日高別院ご巡拝」にこぞってご参拝を!
 今、専如門主は休み無く全国の教区・別院をご巡拝されていますことは毎号の本願寺新報が伝えています。そこには、どこの別院でも大歓迎を受けられ、その暖かいお人柄にふれた門信徒の喜びの声が報じられています。いよいよ4月28日(木)には日高別院をご巡拝されます。若い世代との懇談も予定されています。
 まもなく、日高別院からの御案内があろうかと思いますが、午前9時に別院にご到着され、一連の行事が始まります。最初の写真撮影には各寺、寺方代表1名と門徒代表1名と人数制限がされますが、ご門主さまの御消息親読が含まれる記念法座(10時から1時間余り)はできるだけ本堂を賑やかに埋めたいと思います。どうかこぞってお参り下さいますようお願い致します。
 なお、当日の駐車場はすべて旧NTT官舎跡の広場を使用致します。

■大きな課題、「日高別院の護持」が露わに!
 組会直前の3月24日に「日高別院責役・総代会」が開かれ、私も総代の一人として出席が求められました。そこで事務局から日高別院の護持について極めて深刻な状況が出されてきました。その中身として、歳出を抑えるも、これまで回金でしのいできたが元会計がなくなり、それが不可能になったため、歳入不足に陥り、平成28年度予算が立たなくなったと「説明」されました。そして今年度の別院の活動を維持するために、組からの緊急支援金をお願いしたいと提案されました。この日の議論では鷺森別院の護持にかかわる他組の支援額、日高別院の直門徒会計の状況などが出され、紛糾しましたが「別院から組会において『組からの特別助成援助』を求める動議を提出する。またこれと関わって、別院会計(決算・予算)の精査と今後の別院の護持のあり方(直門、組の負担割合等を含めて)を検討する会を設ける」ことを最終的に了承しました。
 ただし、これは事前の組協議会には提出されませんでしたので、組会の正式な議題とはできませんでしたが、組会では組長と別院門徒責役が28年度予算審議の中で、緊急の動議として前記の案を日高別院輪番から組会の前々日に組長宛に届いたFax文面を紹介する形で提案しました。
 当日の議論では門徒組会議員から、この提案の仕方を含め、別院会計についての疑問や不審が噴出しました。私にはどれももっともなご意見で、私は組から選出されて別院の総代に加わっている一人で、毎年の会計決算の報告は受けていたのですが、その深刻さに気づかなかった不明を恥じるばかりです。組会では、みなさまに曲げて前案を了承していただきましたが、会が終わってからも、複数の門徒組会議員さんから厳しいお電話を頂きました。


■日高別院は私たちの宝
 ただ、「私たち一般寺院の僧侶、門徒は本山と別院を護持する義務がある」ことは宗門法規に定めるところです。日高別院は由緒ある「御本尊」「真向きの聖人像」のもと、広い外陣、放送設備、椅子・机が完備し、組のどんな行事の会所としても利用できます。毎年夏休みに開催している御坊組キッズサンガでは300名以上の子どもや大人で賑わっています。場所的にも組内寺院の中心位置にあり、これほどの広い駐車場は一般寺院に望むべくもありません。これに関しては、近隣他組がうらやむところです。日高別院を建て、修繕して残してきて下さった先達に感謝するとともに、私たちも後世にこの「念仏道場」をよりよい形で伝え渡してゆきたいものです。
 たとえ、今年度の支援金があっても来年度も厳しい別院運営が続くことでありましょう。来年の組会ではもうこんな緊急動議は通りますまい。1年かけて護持のあり方を検討し、それなりの方向を示すことが求められます。私としては、会計に詳しい門徒組会議員の方にもこの検討委員会に入って頂きたいと思います。組あげて、「私たちの別院」を今後どう護持してゆくか、を探ってもらいたいと思います。

■このホームページを一度、紙に印刷してみます。
 この組会で決定されたことの一つに、「このホームページに寄せられた文章や写真を印刷物として配布してみたい」という提案が広報部からあり、快く了承されました。毎月、いろいろな方々から寄稿されてここまで、月一でホームページが更新されています。しかし、せっかくの文章や画像ですが、組内門徒にはパソコンを使用する習慣を持たない方もたくさんおられます。また手元に冊子をもち、好きな場所でゆっくり読んでみたいと思われる方もおられます。そういう方々にも、好評だったページを紙上に再現してお手元に配布したいと思います。係の編集作業の負担は大きくなりますが、広報部に与えられた予算内で小冊子を作成し、少なくとも届け出門徒戸数分は印刷してお届けしたいと存じます。ご期待下さい。

■キッズサンガは本年もやりますョー
 組実践運動の柱、キッズサンガは8月下旬に開催します。「子や孫をお寺に」これからスタッフがいろいろと催し物を考えます。また、このホームページをご覧のかたで、おもしろい企画を思いつかれた方はどうぞそのネタをご紹介下さい。また、スタッフも大募集しています。
 「お寺って楽しいな。仏さまってやさしいな」こどもたちにこんな印象を持ち帰っていただけるよう頑張ります。これもご期待下さい。

■「うけつぐ伝灯 伝えるよろこび」
 過疎高齢化まっただ中の地域にある御坊組、執行部はメンバーを変えず、4歳だけ年齢を加えて再スタートしました。いろいろ困難はありますが、みなさまのご支援だけが頼りです。このホームページも軌道に乗っていますが、3月28日、宗勢調査で拙寺に来られた中央仏教学院のN先生が「いつも御坊組のHP見ていますよ。うまく編集されていますね。ただ、『雑色雑光』のコーナーの原稿は組長さんに偏っていますね。」といみじくも日頃気にかかっていることを指摘されました。その通り、編集は善妙寺木下眞人師の卓越したワザによります。これからは一層みなさまからの寄稿をお待ちしています。・・・と言いながら、今年度も私から始まってしまいました。

どうかどうか御坊組の「新たな始まり」をよろしくお願いいたします。
南無阿弥陀仏



御坊組組長
湯川逸紀(三宝寺住職)

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