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台風21号 猛威、組内寺院の大半が罹災




 さる9月4日、当地方を襲った台風21号は組内の寺院、門徒宅に甚大な被害をもたらしました。当地は紀伊水道をかけのぼったこの「非常に強い」台風の進路右側、南〜東からの「猛烈な風」をまともに受けました。被害を受けられた寺院、ご門徒のみなさまに心からお見舞い申し上げます。

 この度の台風被害について教務所から状況報告を求められましたので、9月6日・7日組内全寺院を回らせていただきました。ご住職にはお会いできなかったところもありますが、本堂、庫裏が被災された寺院は外からの目視で27ケ寺中19ケ寺。実に組内寺院の2/ 3を超えます。被害の程度は様々ですが、このままだと雨天時、本堂での法要は少なからず影響が出るように思います。

 被害は暴風によるもので、本堂・庫裏とも大棟と降棟(くだりむね)が壊されているところが大半、破風近くの袖瓦の落下がみられるところもあります。
 非常に強い風を正面から受けたと思われる本堂では大屋根の瓦が大量に動かされ、野地板がはがされ、そこから瓦。土が落下、その重みで挌天井全体が落下したところもあります。
 また本堂屋根から落下した瓦が、周囲の建物(庫裏など)の上に落下し、そこの瓦や雨樋を壊しているというケースもあります。
 風圧で、採光用のガラス窓が吹き飛んだり、壁が土台から破壊されたところ、白壁が大きくはがれたところがあります。
 土塀の屋根瓦が落下している寺も多く、墓石が倒れたり、鐘楼が傾いたところもあります。あまりの強風で本堂が傾いたのか建具の開閉がスムーズにゆかなくなったと仰るご住職もおられます。
 当地方の一般住宅被害の広がり、瓦職人と補修瓦の不足、寺院屋根の施工の特殊性を鑑みると、寺院の本格的な復旧には相当時間がかかるのではないかと懸念します。

 1998(平成10)年9月22日、御坊市付近に上陸した台風7号も一部寺院に大きな被害をもたらしましたが、この度の組内の寺院被害はそれをはるかに超える規模だと思われます。1961(昭和36)年9月16日の「第二室戸台風」以来の被災という声をよく聞きます。
 組長としては、私の見聞と各寺からの報告をもとに、9月9日に若干の写真を付けて教務所に状況報告をしました。11日には教務所長が教区内の組長事務所と重大被害を被った寺院を巡回されました。本山からはとりあえず被災寺院(19ケ寺)に対して、総長名の「御見舞状」とタオルが配布されました。

 宗派と教区の災害対策制度は始まったばかりで、その基金にはまだ多くの資金がプールされているとは思えません。それに近年、全国で地震や豪雨、巨大な災害がうち続きます。宗派では対象寺院に「見舞金」を給付するとはいえ、そこには大きな額は期待できないでしょうが、本山からの復興支援費用と受け止めるなら、これから御門徒方にお願いする復興募財を勇気づけるものとなりましょう。どうか、まだのところは、「寺院災害被災報告書」「見舞金給付申請書」を組長までお出しください。

 以下に被災の例として「本願寺日高別院」の写真を掲載します。

   

          

    

          

    

          

    

          


           南無阿弥陀仏  南無阿弥陀仏



御坊組組長
湯川逸紀(三宝寺住職)


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