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紙芝居「親鸞聖人ものがたり」を上演 〜安養寺仏教婦人会〜 



 お彼岸の中日にお勤めした午前中の「讃仏会」で、読経の後、仏教婦人会による紙芝居を参拝者の皆様にご覧いただきました。
 その紙芝居上演までの経緯は次のようなものでした。






【5年前の経験】

 平成30年に『安養寺仏教婦人会再結成20周年記念式典』を催し、そのときのアトラクションとして鷺森別院からお借りしたパネルシアター『はなまつり』を上演しました。ナレーションはもちろんのこと、登場人物の“声優”などを仏婦メンバーで役割分担して行いました。それがとても楽しく、よい思い出となりました。


【親鸞さまって どんな お方? 慶讃法要をご縁に】

 親鸞聖人御誕生850年のお慶びの年も間近になった昨年10月、「親鸞聖人のことって断片的にはご法話で聞いたりするけど、ご生涯となるとよく知らないわなぁ・・・」という言葉が雑談の中で仏婦会員の口から出ました。そして、簡単にやさしく心に残るよう親鸞様のご生涯を学ぶには、耳で聞くだけではなく視覚に訴えるのがよいのでは?と、“紙芝居”が提案されました。
 「ひとりが読んで話を進めていくんじゃなくて、セリフを役割分担して・・・5年前のパネルシアターのときみたいに、参加型の紙芝居がエエな!」
 同じ勉強するなら、仏婦だけではなく総代さんや他の方にも見て頂けるように・・・ということで、秋の法要で上演するという目標も定まりました。


【紙芝居project始動!】

 仏婦会員の何気ない ひと言から始まった紙芝居作り。昨年末までに“脚本”を仕上げ、年明けの仏婦活動が始まる2月までに画材選定、構図、下絵を済ませ、2月には水彩絵の具による着色練習と登場人物の配役決定をしました。
 着色は、紙芝居の一場面を1人が担当すると、個性によって全体を通して見たときにバラつきが出てしまうので、それぞれの担当色を決めて進めていきました。
 「わたし、山伏・弁円の役やから、オレンジ色担当!」と、早速 役柄に没頭してくれる“声優”さんもいたりして楽しみながら、でも「絵の具使うのなんて何年ぶりやろ?」と緊張しながら、おやつを食べるのも後回しになるほど真剣に取り組んで下さいました。


【完成】

 6月には、仏婦のみなさんに担当していただいた色別の着彩作業も終わり、その後、陰影や強調色を施して作画が完成。
 普通の紙芝居ならば紙を一枚ずつ繰って次の場面に移るので、これで紙芝居が完成です。が、安養寺の紙芝居は、収納や持ち運びに便利なように「蛇腹折り」です。絵本をめくっていくような感じで物語が進んでいき、蛇腹を広げると「親鸞聖人ものがたり大絵巻物」となります。


【練習〜本番】

 上演スタッフは、仏婦有志会員6名+新発意(しんぼち)。練習のために全員が集まれる日は少なかったのですが、欠席者のセリフを誰かが代役で言いながら、4回の練習で いざ本番へ!

 法要当日は さすがに緊張して真剣な面持ちでしたけれど、情感豊かに演じ切って下さいました。最後に“恵信尼様”のお声掛けで参拝者の皆々様とご一緒にお念仏申したときは感無量でした。


     


 『親鸞様のこと』『本願寺、大谷本廟の成り立ち』『恵信尼様のお手紙のこと』など今まで知らなかったり、気にも留めていなかったことを、この紙芝居projectを通して知ることができた、という声をいただきました。雑談から始まった当初の目的が、少しは達成されたかと自画自賛する紙芝居スタッフ一同です。
 約1年がかりの取り組みで出来た紙芝居上演。脚本も作画も演技も素人ですので、完成度の高いものではありませんが、それでも皆で和気あいあいと 親鸞様とご一緒できたことは、ありがたく尊い時間でありました。

 今月末には、安養寺仏婦親睦研修旅行『親鸞聖人御旧跡をたずねてA』で比叡山〜六角堂へお参りします。紙芝居の場面を思い出しつつ、きっと味わい深い有意義な旅になることと期待しています。

                             安養寺坊守 佐々木ゆかり






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